昔friendstarに投稿した文書の転載に加筆を加えた記事です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6120770
[youtube]0XBBp95UMOI[/youtube]
(歌詞について)
ドラムンベースを聴くのは好きだけど、作る事がとても苦手です。でも、その暴力的なサウンドを作ってみたいという思いは前からありました。
(そして何度もデモを作っては中止。今では何作かリリースできるまで、最低限のクオリティを確保する事が出来るようになりました。)
「鏡音レンに過激な事を言わせよう」というずっとコンセプトが続いてて、アレンジできるものは無いかと探してこの曲に行き着きました。元々の歌詞が 「お酒の勢いで私女だけど、女の子とキスしちゃった!!」という内容なので、それに合わせて過激な内容の歌詞を書いてみました。
過激な歌詞を書こうと思ったのは、過激な表現ってどうやったら出来るんだろう?という疑問が自分の中で出てきたからです。極端な言葉を言わせたり、 音を出したりする過激な表現ならすぐに出来るとは思います。例えば、放送禁止にされている言葉を使ったり、いきなり大音量の音を流したりすれば過激と言わ れる表現になると思います。じゃあ、そういう手を禁じたら、どう表現できるのか。
この曲を作るにあたって最適解は「何が常識で、非常識なのか」を知ることでしか手段は考えられない、という仮定から物事を始めるのが比較的効率が良い、と至りました。例えばこの曲の表面的に設定していないテー マ、同性愛はキリスト教圏などではタブーとして常識だけど、日本では誇るべきかどうかは別として、歴史ある性癖と記録されてて、その視点からこの曲を捉え ると「非常識ではない=過激ではない」という見方も出来る事も可能といえば可能です。日本ではそれほどでもないけど、海外に出したら過激になる、という事 に繋がるのかなと思って、製作するきっかけになっています。
恥ずかしい事に、最近になってから上手下手を抜きにして歌詞を書けるようになって、語彙とか、文脈の順番とかを意識するようになったから、こういう 事を考えられる余裕が出てきたというのもあります。
(曲について)
楽器の数が少ないのは、元々ドラムンベースで音数が少なくとも良い曲が出来ているのを友達に教えて貰って、これは凄い!!と思ったのでそれを劣化模 倣です(それすら言えないw)
Shy FX & T Power Feat Di – Shake Ur Body (2002)
[youtube]e5GmZ0TDsUY[/youtube]
当時は2stepが大流行した後期で、その影響なんでしょうか。こんな感じの音が出てきたのかはよく分かっていませんが、今聞いても十分に良い曲と いうのは確実です。
要らない物は徹底的に削っていく引き算の中で出てくる音楽というのはなかなか私自身、出会う機会がありませんでした。作る事はあっても、それは別の 方向から音楽を作るという計画があって・・・ということで、聞く立場からはそのような出会いはかなり少なかったです。
楽器数が少ないけど物足りないと感じる事がないというのは非常に凄い事ですね。
スカした音が2stepなら暴力的な音がドラムンベースという位置づけで、2stepからliquid、ドラムンベースからjump upに変わっていたのではないかと個人的に結びつけています。
ドラムンベースは常に変化してて、最先端の音を作れる人はかなり限られるのは音楽的に素晴らしいですね。
クリプトンで販売しているCDとか、ダウンロード販売しているサイトの音を聞いても、「古い」とか「コレじゃない!」という感想を持つ事が殆どで、昔のよ うに「amenのサンプリングさえ有ればドラムンベースなんて作れるだろう」みたいな甘い考え即、通用しないと理解しました。
ボーカルは、レンの声にautotune系のものを乗せて、ディエッサーなどで調整したらかなり籠もった音になってしまいました。というのもレンの 声は倍音が少なくて、シンセっぽい部分が気になったから手を加えてみたんですが、削る一方で上手くいなかったようです。音程調整のツール自体倍音を削るよ うな加工をされているのが多い印象を受けたので今後はなるべくナチュラルな音を出す手法を考える必要があるようですね