健忘症

ノールックで、冷蔵庫の中から炭酸水を出して飲もうと蓋を開けた瞬間、取り出していたのは料理酒だったことに気がつく。
そんなに不都合ではない。ちょっと塩分だけは気にしていたおいた方が良いか。

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「作りたい女と食べたい女」2巻まで読了。
ドラマチックな緩急の大きいストーリーは特にないので、ハードルを用意しなくて読める作品だった。
実際、免許更新の手続きの待ち時間で気持ち良く読み終えることができた。

性のあり方というよりも、他人から押し付けられる不快なものに対してゆっくりと距離を取っていて、自分なりに自分のあり方を見ていくような話は、読んでいて心地よかった。
登場人物たちは直接的な軋轢から少し距離が離れているから、落ち着いて見れるのも良かったポイントだ。ムダに軋轢や激しい表現があれば、耳目を集めるかもしれないがこのご時世にはそんなのは多すぎて、相手にする余裕を割こうとも思えない。
恋愛というよりも、世の中に対して上手にやりとりして、何かをしたい人同士が上手に出会えたというのは幸せ、というのが夢なのだな、と思う。
しかし黙って「社会」から切り離されていく人たち、という感じにも読めていて、別の映画だったり本だったりすると気軽にその後もメチャメチャにされる所までを書いてこれがリアル、というフォーマットにすることが多い。単純にその人のことも興味どころか敬意も持たず、雑に扱う人間が多いから、尚更この幸せを知ってしまうと、二人の関係の世界以外が今以上に辛くなってしまうんじゃないかと不安にもなる。結末なんかしったことか、と突き放して楽しむべきか。

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テッカマンブレードのBlu-rayBOXを買った。2のコンテンツと、楽曲が収録されているから精神的に追い詰められたい時は見ようと思う。
当時でも必死になって全話VHSで録画して見てたけれど、そのたびに何回も見るもんじゃないという気持ちになって言って最終回あたりはダメージが大きすぎて録画しなかったか、できなかったようなことも思い出した。
天空戦記シュラトはNetFlixで完全版を作って欲しい。本当に。

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散々重いと不満をひとりごちていた布団について調べてみたら「1.4kgとおもったら2.4kg以上」ということが判明した。倍近い重さじゃないか。
表記していない所をしっかりと読み取れなかったことが失敗なのだと分かった。

合計重量を書いていないというのは、個体差がありすぎるから書いていないというのもあるのだろうけれど、次回以降はこれが書いていないものについては買わない、ということにした。
見方によっては「おもったよりも重量があるからお得」という捉え方もするが、軽い布団が欲しいのだから悔しい気持ちが強くなってしまう。
カテゴライズで、更に色々なジャンルが出てきて共通性がないのが、布団業界の業の深さみたいなものを感じるけれど、前時代的な考えで固定しているからいつかは淘汰されるのだろうと思い、自分で納得できるものを買うことにした。

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春を鬻いでいる女性達のネット情報を見て、自分の好き嫌いを確認する。
ルッキズムも甚だしいだなんて、お堅い言葉も出てくる中であえて獰猛な自分をさらけ出してみるが、色々な美女を見てもなんかピンと来ないことがある。
こういう時に、顔の美醜については本当に頓着がなく、散々弄り倒した映えた画像に対しても美しい、という感想でもない何か違うと思っているから妙な気持ちになる。
行き先不明のお悩み電車が脳内ホームから出発したら、500円硬貨以上の大きさの乳輪を持つ女性の画像を見てしばらく念じるのに限る。霧散したお悩みが景色と共に流れていくと、列車はターミナル駅に到着するのですぐに降りる。

2022.05.06 / Category : 小噺