内容としては、昔読んだラブひなに近いと感じた。
女性のサービスショットが多いマンガというイメージがあるが、これが葛藤の具現化という形で読み進めている。
主人公が目指す目標し、幸せな失敗というのを丁寧に描いている。
この作品の構造は主人公の夢や希望を妥協したり、目的を達成しなければマンガが内容としてはすべて上手に解決する。
一方で、主人公の願いが達成すると色々な不幸が起きるという設定になっている。
読者は主人公に投影をするよりかは、親だったり見届けるような距離があるので正直な所主人公に対しての肩入れをしないで良いようになっている。
そういう意味では読者はしっかりと安全圏に隔離されている。
しかしこの作品で彼女との進展やサービスカットが増えるほど、主人公にとっては地獄のような日々としても描いている事になる。
残酷な描写をせずに主人公の成功を遠ざけるようになっている。
巻を追うごとに発想の転換というか、堕落する伏線を貼り続けていて、徐々に同じことが起きる世界で主人公というか、ストーリー根幹の失敗を誘引していく。
主人公ひとりの不幸を除けば、作品の世界も読者も幸せになれるようになっている。
そのためか、10代の少年がとんでもない孤独の中に叩き込まれているという見方になってしまった。
自分の意思が流されない事も幸せになる、というのは分かる。が、読者となる少年達が幸せの中では絶対にわだかまりを持つのが良い、という書き方になるのはあまりにも可哀想という気持ちになる。
推測となるがリスクを背負ってなんとか、最小限の傷と失敗で作品は結末を迎えるみたいな作品として予期はさせるものの、結末への向かい方によっていい方向でも悪い方向でも注目を集めてしまうのではないかと思った。
おそらくは40巻以内には完結するとは思われるが、徐々に緊張感が増えていくのかという予感もした。