酢飯タコス

朝から雨なので飛鳥涼の「はじまりはいつも雨」を聞きて街に繰り出す。

80年代から90年代のアメリカンポップミュージックの上澄みだけを濾して出来上がったような出来の音楽だと理解すると怖い気持ちになる。AORとかクワイエットストームとか呼ばれているような音楽が知らない間に日本語で染めてきたものが日本での文脈もなく突然出てきたのだ。「Love song」「太陽と埃の中で」「僕はこの瞳で嘘をつく」とプレイリストを進めてミスチルに切り替えていく。

「Tomorrow never knows」「cross road」と聞き進める頃には雨が強く降り出して、音楽を止めた。遠くの山の斜面に地霧が立ち込めているのを見て、イヤホンを外しながら歩く。

足元が濡れた状態のまま色々な偶然が続いていて、まるで導かれているような感覚になる。優しい悪魔が地獄に引きずり下ろす直前の楽園のような優しい時間が流れる。何か止まっていたものが少しずつ変わっていく。


久しぶりに上野のアドアーズにてIIDXをプレイした。

指がもつれてまともにプレイすら出来ない。それにしては下手くそになったな、なのに今のIIDXはレベル8でもクリア扱いにしてくれるんだな、とかを思いながら数プレイする。

プレイに集中しているとそれまで意識していなかったメガネの歪みに気がついた。平衡感覚がなくなっていく。なのでプレイしている時に目の焦点を併せていると液晶画面が斜め手前に浮き上がってくるのが尚更気持ち悪く感じた。

IIDXをプレイしようと思ったのも久しぶりにArmytom曲のリミックスを見て良いなあと思ったからだ。曲も良いし、譜面も曲を楽しむような余白がある。16分をひたすら体力勝負で叩き続けられないのでこういう曲のノリを楽しめるものは助かる。

全体的にPlugOutに出てくる曲の譜面を見ていると5鍵には今まで出てこなかったタイプの叩かせ方が出てくるので、そこも10年以上の探究が変わらない。昔から難易度3~5ぐらいの楽曲のリズムの刻み方は白眉だ。今は曲を作る時間も体力も残されていない状態が続いているので良いなあと思う。

時間というのは作業だけではなくて構想だったりするのだけど、チームで何かをするならペースを崩さずにできるものが個人活動ではとたんに難しくなる。


しっかりと睡眠を取れていないとすぐに重めの頭痛がやってくる。日差しを浴びても目の奥が重くなる。

2024.07.13 / Category : 小噺